293号・「古民家は甦る」が「プレハブ住宅は甦ることはない」
日本の住宅の寿命が短くなったのは戦後からのことです。戦前に建てられた古民家や住宅は100年、200年経年した今もまだまだ日本には多く残っています。
近年、地方では外国人によって使い込まれた構造体、建具などを生かした形で改装し住宅、民泊などに再建して古民家は甦っています。仮に解体されたとしても、
その柱や梁が高い値段で売却されて都会の店舗などで甦っています。お客様もそれを見てどこか懐かしさを感じているのでしょう。
古民家
大断面木造住宅

また、これら解体後の木材は先述のように再利用や燃焼エネルギーとなっています。それに比べると、近年の住宅は塩ビで覆われた建材が多用されているので産業廃棄物となって環境問題の原因にもなっています。
プレハブ住宅は古民家のように甦ることはない
日本初プレハブ住宅には、大きくは軽量鉄骨系と木質パネル系、ユニット系、コンクリートパネル系があり、いずれも60年代に発明、または開発された住宅をプレハブ住宅といっています。構法的には、軽量鉄骨工法、木質パネル工法、ユニット工法、コンクリートパネル工法があります。
当時、ハウスメーカーの住宅は住宅需要の急増に対応するため、大量供給を目的とした工法開発、工業化によって住宅を安価に提供することを目的としていたので、耐久性よりも品質の均一性、標準化、工期の短縮、コストの低減が目的だったので環境配慮、再利用という考え方はなかったように思います。
ハウスメーカーが最も熱心なのは、構造体をいかに小さく、薄く、軽く、施工性をよくすることによって利益を確保する。そのことが工業化の目的でもありました。
なので、構造強度は構造体保証期間内の耐久性となっていて、決して余裕のある構造体ではありません。長期優良住宅制度が導入されてからは、構造体の耐震性、耐久性に加えて、メンテナンス対応はよくなっています。
ただ、構造体の断面は最小に、いかに耐震性を強化するかの研究は熱心です。例えば、開口部の大きさや柱で囲う空間の大きさを制限したり、構造体を金物で補強、制震ダンパーなどの取り付けやオプションで免震装置の取り付けなどで対応しています。
耐久性の観点からは、メンテナンスの有償点検の制度化(施主のメンテナンスの義務化により費用の負担が大きくなっています)などで耐久性を伸ばそうとしています。
ところで、仮に構造体が100年耐久したとしても空間の大きさに限界があるので、その時代のライフスタイル、設備機器の入れ替え、間取りの改変に限界があります。また、今の流行を追ったデザインがその時代に対応できるかの問題もあります。
さらに、塩ビシートに石油系材などの新建材が多用されていて劣化していくばかりです。とても再使用できるとも思えません。なので、古民家のように甦ることは考えられません。
長く住み続けるためには構造体は最も大切
ハウスメーカーや住宅工務店の営業、技術者は、構造体に使用されている樹種、樹齢、産地、原価のことについては、会社責任となっていてあまり関心がありません。実際のところ詳しく説明できる営業や技術担当者はいないといっていいでしょう。そのことよりも、数値上の耐震性といっても耐震等級1か2か3かの説明、断熱性や気密性、ソーラーなどの省エネ性、無償、有償メンテナンス、保証内容など免責事項については熱心に説明してくれます。
ただ、長期耐用年数については、なんとなくあいまいで漠然としています。お客様も構造体や間取り、デザインはハウスメーカーや工務店任せで、関心があるのは新しいシステムキッチンやユニットバスの床排水、シャワーがどうのこうのと新商品に目を奪われています。会社もいかに内装や外装などの建材、住宅設備機器などのオプションで売り上げを増やせるかに熱心です。
*次の時代に備えて、今から木造大断面住宅の準備をしておくことも大切です。
ご関心のある方は、当所メールにて問い合わせください。
大断面木造住宅施工例(柱150×150・梁150×300)

・京都・京町家展示場 MY設計



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