298号・注文住宅5000万円時代
日本では、2008年リーマンショック以降の20年コロナショックまでの11年間、下記グラフのように建設資材、施工者人件費はほぼ底ばい状態が続いていました。コロナショック後は、石油価格、輸送船価格の上昇、21年1月、北米森林火災、22年2月ロシア、ウクライナ戦争の勃発、有事の米国ドル高、円安による輸入価格の上昇、建設従事者不足などで木造住宅は140%高となっています。景気回復が続く限り住宅価格は上昇へ。一度上がった住宅価格は簡単には元に戻らないと考えたほうが良いと思います。
つまり、4年前の住宅工務店、坪単価が60万円なら、現在は約83万円ということになります。ハウスメーカーだけで見ると、坪当たり100万円前後の相場となっています。

・2024年11月7日の日経では注文住宅40坪5000万円時代到来となっています。数年前から予言していましたようにインフレ傾向になると建設価格が上昇するので、低所得ではローンが組めなくなってローコスト住宅の市場は縮小、高所得、高額住宅が主流になってきます。
下表は、ハウスメーカー、大手住宅メーカーの坪単価表
| ハウスメーカー名 | 構造 | 坪単価 |
| 積水ハウス | 鉄骨・木造 | 100~130 |
| ダイワハウス | 鉄骨・木造 | 80~100 |
| 住友林業 | 木造 | 80~110 |
| セキスイハイム | 鉄骨・木造 | 80~100 |
| ミサワホーム | 木造・鉄骨 | 75~90 |
| パナソニックホーム | 鉄骨・木造 | 80~100 |
| トヨタホーム | 鉄骨 | 70~90 |
| 三井ホーム | 2x6 | 100~130 |
| ヘーベルハウス | 鉄骨 | 80~100 |
| ヤマダホームズ | 木造 | 60~80 |
| タマホーム | 木造 | 40~65 |
| 一条工務店 | 木造・2x6 | 75~95 |
| 桧家住宅 | 木造 | 50~70 |
| クレバリーホーム | 木造 | 60~90 |
| アイフルホーム | 木造 | 50~70 |
| アキュラホーム | 木造 | 40~60 |
・24年中間期のハウスメーカー契約坪単価
上ページのデータは24年上半期、ハウスメーカー比較マイスターからも抜粋しました。注文住宅の実際の坪単価は、間取り、敷地条件等によっても変わるため、あくまで参考程度で願います。
坪単価だけで見ると、大手ハウスメーカーよりも、住宅工務店のほうが20%以上安いといえます。なので、ハウスメーカーと競合すれば勝てるはずです。20%安く販売するか、設計力を高めて20%グレードの高い住宅で差別化することが大切です。
・今後どうなるでしょうか
2023年に入って、世界的にインフレが進行しています。日本は始まったばかりです。物価の値上がりがあるとしても、労働力不足から賃上げは必然です。日本の賃金は世界に比べて出遅れているので、企業体力のある大手から賃金は加速度的に上昇が見込まれます。
米国の住宅価格と金利を見てみましょう
住宅ローン固定金利が上昇し始めた21年1月の政策金利は0,25%、住宅ローンが2,65%。住宅着工数は1,422千戸でした。その後、着工数は急増しています。22年4月の政策金利は0,5%、住宅ローン4,72%。着工数1,803千戸でピークアウトしています。
その後、24年7月着工数は1,238千戸まで減り続けています。その間の住宅価格は140%となっています。つまり、金利上昇が顕著になったとき、衝動買いで着工数も住宅価格も上昇し、23年10月住宅ローン金利が7,9%の高金利となったあと、着工数は1,372千戸まで減少しています。その後は、徐々に金利は低下、着工数も低下しています。金利上昇は21年1月からで22年10月にはピークアウト、下降傾向にあります。つまり、高金利期間はそれほど長くは続きません。3~5年で終息します。
日本では、インフレ率が4%に近付くと住宅ローン金利も急上昇する可能性大です。購入予定者にとっては、ますます厳しくなっていきそうです。
今から、契約する人は多少高くても固定型を選択すれば、将来インフレで所得が増えれば、借入額は変わらないので返済は楽になるはずです。高金利は長く続きません。日本のバブル時も米国のバブル時も3~5年で下降に転じています。政府がインフレ対策をとるからです。という事で、迷っているお客様は今ならまだまだチャンスです。住宅会社にとっては契約促進の理由になると思います。
ただ、インフレが加速すると、客層が高額所得層に変化し始めます。米国でも高額住宅のほうが売れています。高所得層はより豪華さ、大きな空間を求めるようになります。
80年代後半のバブル時では、インフレ、金利上昇で低所得者、ローコスト住宅を求めるお客様は減じたが、高所得層はより高額な住宅を求めるので受注戸数は減じても受注金額、利益額は上昇していました。なので、今から設計、営業の対応準備が必要です。高額住宅に対応できない中小の住宅工務店、特徴のない工務店は新築住宅の受注は難しくなってきます。
以上は、それぞれのご判断で願います。ご参考まで。
2024・11・16
ハウスビルダー販売支援研究所 代表 大出 正廣