311号・戸建市場が悪いときは、賃貸市場が良い。
「戸建市場が悪いときは、賃貸市場が良い」「賃貸市場が良いときは、戸建市場が悪い」。といっているのはダイワハウス芳井社長の見解。一理あると思います。
因みに、ダイワハウスの売上全体のうち戸建てが11%、賃貸住宅が27%です。
(ダイワハウス第3四半期連結累計期間の概況) ダイワハウスグループの連結業績は、売上高1兆3,621億76百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益1,027億97百万円(前 年同期比26.5%増)、
経常利益1,088億32百万円(前年同期比28.4%増)と増収、増益です。
・賃貸住宅の大手、大東建託、レオパレスも業績急回復しています。
・米国も戸建ての落ち込みを賃貸住宅でカバーしています。
米国戸建て住宅の住宅ローン固定金利(21・12月3,12%から上昇し続けて24・12月は6,99%)高で、戸建住宅新築住宅(24・11月前年同期マイナス17,37%)は低迷しています。
ただ、賃貸住宅は好調のようです。ダイワハウス芳井社長も米国では賃貸住宅がメイン業務としています。
日本と米国の賃貸住宅の違いは、日本では、戸建住宅の賃貸住宅を業務としている会社はほとんどありません。
米国の賃貸住宅には「シングルファミリー戸建賃貸住宅 (Single-Family Home)」と「マルチファミリー賃貸住宅 (Multi-Family Rental Property)」があります。
建物の構造や用途、所有形態、投資の性質などにおいて大きな違いがあります。以下のポイントで比較します。
・建て方の特徴
・シングルファミリー戸建賃貸住宅: 1つの家族または世帯が居住する独立した住宅です。通常、庭やガレージを備えており、プライバシーが高いのが特徴です。
・主に居住用として利用され、個人投資家にとって手軽な投資対象です。
・将来、値上がりしたところで売却できることが大きな特徴です。
・マルチファミリー賃貸住宅: 複数の世帯が同じ建物内に住む集合住宅で、アパートやマンション、2×4住宅では、デュプレックス(2戸1長屋建住宅)、
トリプレックス(3戸1長屋建住宅)、フォープレックス(4戸1長屋建住宅)などがあります。一般的には2戸1が多いようです。
・複数の世帯からの家賃収入によって安定したキャッシュフローを提供し、プロや機関投資家にとって魅力的な資産です。
■日本ではシングルファミリー戸建賃貸住宅のビジネスは、経済的な条件や住宅市場の特性から見て、収益性を確保するのが難しいのが現状ですね。
特に次の要因が大きな壁になっています。
・資産価値の下落: 建物の法定耐用年数から住宅価値が急速に減少するため、売却益を期待しにくい。
・空室リスクの高さ: ファミリー層は最終的に持ち家を目指すことが多く、長期的な入居者を確保しにくい。
・管理の非効率性: 分散した物件の管理にはコストと手間がかかり、運営効率が悪いので投資家や企業にとっては魅力がない。
・ただし、近年では少子高齢化やライフスタイルの多様化によって、特定のニッチ市場ではチャンスも見られます。
たとえば、都市部でのコンパクトな戸建賃貸や、高齢者向けのバリアフリー住宅などは一定の需要があります。
とはいえ、米国のように一般的な投資手法として確立されるには、文化や税制、住宅政策の大きな転換が必要でしょうね。
■日本では、シングルファミリー戸建賃貸住宅は上記の理由から無理があるとしてもマルチファミリー賃貸住宅はどうか検討してみました。
まず、アメリカの賃貸住宅の平均的な居住面積、家賃、そして所得は日本の約2倍という傾向があります。
1・居住面積の比較・検証
・アメリカ:平均的な賃貸住宅の広さは 80〜100㎡(860〜1,100平方フィート)。
・日本:ファミリー向け2LDK賃貸マンションでも 50〜70㎡ 程度が一般的。
但し、アパートでは2LDKでは50㎡前後が一般的、70㎡クラスは皆無。但し、マンション所有者が転勤などの都合で賃貸している場合や賃貸高級マンションとしての物件以外は皆無。
*アメリカの方が約1.5〜2倍広いことがわかります。
2・家賃の比較と間取り
■アメリカ:主要都市では $3,000〜$5,000(約45万〜75万円)(2LDK)80〜100㎡。
・適当な間取りは見つかりませんでした。
■・日本:東京23区では 15万〜35万円 程度(2LDK)50〜80㎡。


例
例・東京メトロ日比谷線 三ノ輪駅(台東区) 14階建 築1年未満(12階/2LDK/54.88m2)
賃料22.9万円
管理費・共益費等:20,000円

敷金:22.9万円
礼金:なし
保証金:なし
*アメリカの方が1.5〜2倍高いことがわかった。
3・所得の比較(中央値)
・アメリカ:世帯所得の中央値は 約$74,580(約1,090万円)(2022年)。
・日本:世帯所得の中央値は 約560万円(2023年)。
*アメリカの方がほぼ2倍です。
4・家賃負担率(家賃÷所得)
・アメリカの家賃負担率:約32〜40%(都市部)
・日本の家賃負担率:25〜35%(都市部)
*家賃は所得比で見るとアメリカの方がやや高めです。
■総括
・広さ・家賃・所得の3つを比較すると、アメリカは日本の約2倍のスケール感。
・ただし、アメリカは生活コスト(物価・税金・保険など)が高いため、単純な比較は難しい。
・日本はコンパクトな住環境が標準だが、アメリカは「広い家」に価値を置く文化が強い。
このような違いが、住宅市場の成り立ちや価値観の違いに影響を与えていると言えますね。
■検証
つまり、日本でアメリカ並みの居住面積、快適性で事業を行うとどうなるか?
土地:自己所有として、
居住面積90㎡(≒27,2坪)2LDKx2(計54,4坪)住戸、2戸1平屋建てP2台x2として
工事金額:54,4坪x75万=4,080万円+(付帯工事300万円+その他諸費用150万円+消費税453万円)=4,983万円≒5,000万円
家賃収入15万円ⅹ2=30万/月x10/12か月/入居率83%≒300万円(17年で回収)
単純利回り=300÷5,000x100%=6,0%。ま~ま~。ですね。
*お客様を探してみてください。ご希望があればプランニングいたします。
■シングルファミリー戸建賃貸住宅
・こんなシングルファミリー戸建賃貸プランは如何ですか
・人気のある場所では、将来値上がりした時は売却できるというメリットがあります。
・3LDK24,67坪(81,41㎡)市外地・節税対策として
工事金額:25坪x70万=本体1,750万円+付帯工事170万円+その他諸費用80万円+消費税200万円)=2,200万円
家賃収入112万/月x10/12か月/入居率83%≒120万円
・借入2,000万円、借入期間17年、固定3%・毎月12万円返済(18年で完済)
単純利回り=120÷2,000x100%=6,0%
*2~3戸建ててみてはいかがでしょうか
・8,190×10,920

2025・3・5
ハウスビルダー販売支援研究所 代表 大出正廣