324号・何故、平屋住宅か

デザイン性の高い平屋住宅が急増加しています。

・自分らしいコンパクトな暮らしを志向するオシャレな若い世代が増えています。

1・建築価格の上昇

いまや、ハウスメーカーは建築本体価格坪80~120万円が当たり前。例えば、25坪の家(25坪x 仮に坪80万として+付帯、追加工事300万+消費税(10%)≒2,500万円)。30坪となれば、本体価格だけで3、000万円を超えてきています。

*建築コストから見た場合

一般的にお客様から見て、大きな住まいはいらない、建築コスト上昇分を下げるため、平屋でコンパクトにすれば安くなると思っている人が多いようです。

2階建と同じ3LDKの平屋住宅は、2階建住宅に比べて基礎、内・外壁、屋根面積など施工面積が増加するので20%近くコスト高となるが、半面、2階建に比べて階段室、廊下、2階トイレ、バルコニーなどの床面積、2階給排水設備工事、2階部の足場工事などが減少する等で、同じ間取りであれば、ほぼ同じような工事費となります。

2・少人数世帯の増加

単身者や夫婦二人世帯、子育て中の一人親世帯、高齢化世帯が増加していることが主な要因として考えられるが、もう一つの要因は、もったいない世代が減少、若い世代は、所有よりも利用に重きを置いているので、モノを持たないことが新しいライフスタイルとなっていてコンパクトな住宅志向となっているようです。

3・若年世代に人気

住友林業では、30~40歳では35,5%が平屋住宅だそうです。

4・暮らしやすさ

平屋は基本的にリビング、ダイニング、水回り、プライベートルーム、収納の出し入れもすべて1階空間で繋がっています。

また、小さなお子様がいる家族では安心です。ただ、すべての部屋が地面に接するため、防犯上、窓の高さを考慮することや、センサー、雨戸、防犯ガラスの導入などを検討したほうが良いかも。

5・内外空間の一体化

ワンフロアだから視線が抜けやすく、開放的で実際より広く感じます。

2階建に比べて大きな開口部が作れるので、外へも視線が伸びて、外部空間との一体感ができます。

6・勾配天井や高い天井を作りやすい

屋根形状に合わせて高い天井が作りやすい。

7・深い軒

軒の出を深くして、パティオなどの中庭などが作りやすく、アウトドアライフを楽しむ世代が増えています。アウトリビングは塀や壁などで囲って小さな庭やバルコニー、テラスを工夫して個性的に楽しく活用することだと思います。

8・耐震性が高い平屋住宅

世界的に大地震が多くなっています。2階建よりも倒壊率の小さい平屋建てが安全という認識が高まってきています。

その点で、2階建の過重負担、風圧が小さくなり、耐震性が高まるという点からも人気が出始めているものと思われます。

9・メンテナンス費が安くすむ

長く快適に住まうためには定期的な維持管理が欠かせないが、屋根や壁の補修などにおいては、工事用の足場が低くて良いので、その費用が減ってメンテナンス費が安くすむ。

また、下屋根がなく雨漏れのリスクが少なくなる。

10・屋根面積が大きくなるので、太陽光パネルを多く載せることができます。

デメリットとしては

1. 空地が狭い地域では風通し、日当たりの確保が難しい場合がある。

ワンフロアで奥行きが深くなると、中央部の部屋に日光や風が届きにくいことがある。

中庭(パティオ)や吹き抜け、天窓(トップライト)などでカバーが必要。

2. プライバシーの確保が難しい場合がある

近隣に2階建の住宅がある場合、上から見下ろされやすく視線が気になる可能性。人通りがある道路に面している場合も、通行人の視線が気になりやすいため目隠しなどの対策が必要。

3・ 防犯対策

すべての部屋が地面に接するため、侵入しやすい構造でもあります。

窓の高さ配置を考慮する。センサー、雨戸、防犯ガラスの導入などを検討。

4・ 敷地面積が大きくなりやすい

5・ 水害リスクの低い土地を選ぶ

水害の際に垂直避難ができないので水害の恐れ、床上浸水地域がある地域では、各自治体が発行しているハザードマップで確認しておくことが大切。

6・ 断熱・気密性能にも目を向ける

平屋は生活スペースと屋根が近いため、断熱性能や気密性能が不十分だと屋根からの熱の影響を受けやすいです。また、天井を高くすると空間が広くなるので、冷暖房効率が悪くなりがちです。

■注意する点

平屋住宅は、コンパクトになりがちなので、間取りに余裕がないと逆に狭くるしい住まいとなりがちです。

また、季節用品、電化製品、カーペット、大型家具などの収納場所を考えておかないとゆとりある空間が見苦しくなるので注意が必要です。

庇が長くなると直射日光を受けにくくなるので、光の取り入れ方に注意が必要。

トップライトなどの対策も必要。ただ、パッシブの観点から遮光考慮も必要です。

平面が大きくなるので、トイレや洗面の配置を考慮しないと、LDKでうろうろとならないよう動線計画を考慮する必要がある。

平屋住宅の高い伸び率

大都市圏に住んでいるとあまり見かけないが、地方に行くと新築住宅の半数を平屋住宅が占める地域が増えてきています。

・平屋住宅と2階建住宅の割合を調べてみました

2024年国土交通省の「建築着工統計調査」より

下表のように、木造住宅の着工戸数は2012年に比べて24年では27,88%減となっています。

反面、2012年には平屋住宅の割合が6,8%であったものが、24年では、木造総戸数のうち平屋住宅は17,2%増の55,724戸と増加しています。

*御社は如何ですか、下表に入れてみてください。

(木造、居住専用住宅/住宅以外は除外)

 木造総戸数平屋建戸数2階建戸数
全国(2012年)448,235(100%)30,604(6,8%)349,607(78,0%)
全国(2024年)323,267(72,12%)55,724(17,2%)241,089(74,5%)
トップは宮崎県2,5921,479(57,06%)1,108(42,75%)
御社は   

1位の宮崎県は22年に比べて、24年には平屋は57%とさらに増加しています。

・今後、地方県でもさらに増えそうですね。

*平屋住宅の販売戦略が重要となってきています。

分譲住宅でも平屋住宅が増えそうですね

九州は50%を超えています「平屋王国」といえますね。何故でしょうか。

・土地が比較的安い、敷地が広い、2階にする必要がない。

・台風が多い(2階は風の影響を受けやすい)、地震が多い(2階以上の倒壊率が高い)などでしょう。

平屋住宅は、今後もさらに増えそうです。御社でも、その販売対策が必要です。

2025・4・29

ハウスビルダー販売支援研究所 代表 大出 正廣