戦前と戦後の木造住宅
日本建築の代表とも言える法隆寺のような神社仏閣や、桂離宮に見られる数寄屋建築などは、代々、受け継がれてきた技量のある棟梁、大工、職人さんによる伝統的な工法によってつくられていて、その後も建築守りによって代々、維持管理され、補修、修繕、改築、大改修が繰り返えされて今日に至っています。
そのことを世界最古の木造建築である法隆寺は1400年以上の時を経て、風、雨、雷、地震に耐えて現存しています。だから「木造住宅も地震に強く長持ちする」というのは詭弁にすぎません。
戦前の伝統的工法による木造建築と戦後の木造住宅とは全く異なる工法です。というのも戦後、1950(昭和25)年に建築基準法が交付され、建築確認申請業務は義務付けられたものの、大工であれば誰でも建築のできる木造住宅となってしまいました。確認申請といっても、現実には申請さえしておけば、申請とは異なる住宅であっても、検査依頼手続きさえしなければ、違法であっても黙認みたいなところがありました。なので、建築基準法はザル法(何でもありという意味です)と言われていました。
それまで行政は黙認しておきながら、これらの建物のことを「既存不適格建築物といっています」。70年初めころから、徐々に厳しくなってきましたが、81年建築基準法改正以前に建てられた木造住宅の構造、耐震性は信頼できません。こうした住宅が95年、阪神淡路大震災で倒壊し多くの欠陥性が露見しました。このことは、当社出版の「欠陥建築が死を招く」で証明しています。
その後、1999年、建築確認、検査業務が指定確認検査機関へ移管、2000年、建築基準法が改正されて、耐震性はさらに強化され、2008年、長期優良住宅として引き継がれて、木造住宅の劣化対策、耐震性、維持管理、省エネ性等、認定基準が明示されて安全性は高まってきています。