278号・住宅業界下期見通しと24年3月期決算集計 

全体概要

23年1~12月新築住宅着工戸数:米国1,460千戸(前年比-5,87%)22・23年と連続で5%前後の減少。日本822万8千戸(22年比-3,21%)。

ただ、24年1~3月計は23年同月計-9,64%減少。4,5,6月変転するか見極め中。

上場ハウスメーカー決算は、着工数微減を住宅価格値上げ効果で売上は微増。ただ、建設原価高を吸収できず営業利益は大半が未達。

今期売り上げ予想も慎重。ただ、住友林業は、国産材の売り上げ、利益向上、オーストラリアのアパートが好調で売上19%増で強気。

上場パワービルダーの大半が、販売価格値上げで売上計画は達成も、建設原価上昇分をこなせず、飯田GHが前年比42,2%減、ケイアイ不動産

40,8%減、オープンハウス20%減、ファースト住建15,4%減と分譲事業者の営業利益が大幅減となっています。

分譲各社は、土地価格上昇気配で土地取得がむつかしく、しばらく業績回復は難しいようです。

上場、セブン工業(集成材)売上高は、プレカットをはじめ事業部全体が減少し、67億8百万円と前事業年度と比較し21億15百万円 (△24.0%)

の減収。

上場、ナイス(建築資材)売上高は、国産材の需要拡大に努めたが、木材価格が低調に推移したことに加え、木造住宅の新設着工が低迷したこと

などにより販売量が減少。

*着工数減により、セブン、ナイス両社ともに売り上げ、営業利益ともに減少。今期も慎重に見ているようです。

今期住宅業界見通し

日銀は、長期金利1%越えを容認。消費者は住宅ローン金利上昇懸念で慎重。給与UP効果は夏のボーナス後、インフレが抑えられるかどうか

見極めるまで住宅購入は慎重になると思われます。ただ、中・高所得層の購買力に期待。

住宅購入者にとってはこの上期はまだラストチャンス

23年度の各社決算はよかっただけに株価は高値圏。今期は高配当、賃上げ、円安の一服感、1~3月はGNP2%減。景気の弱さがみられます。

4~6月を見極めるまで日銀の金利上げはなさそう。なので、まだまだ低金利。住宅購入予定者にとっては、住宅価格も落ち着き、更に分譲

住宅各社は売り上げだけは値引きしてでも達成しようとしてくるので上期は愈々ラストチャンス。

また、住宅工務店も受注を確保しておきたい意向から、購入者の買い手市場へ。

今期は土地、建物を小さく、間取り、グレードをシンプルに販売価格を抑える努力が必要。

株式市場

株式市場は、高配当、賃金UP負担の増加、円安の一服感、商品価格の値上げなど、企業側の目標は達成したが、消費者の負担が増加。

昨年10月、日経平均30,538円を底値に今年3月22日に付けた41,087円の高値は、24年3月決算期の業績は織り込み済。

株価上昇した好業績企業の株価はしばらく調整。

上期は23年期以上の業績は見込みづらい状況。1~3月はGNP2%減。4~6月も弱含み感があるので、7~9月に消費が強くなってくるか

様子見、それまで株価上昇は期待薄。NYダウは先日4万円台、達成感からしばらく株価調整。

住宅以外下期景気の見通し

5月9日集計、上場企業の24年3月期決算の純利益合計額は前期比15,0%増。円安を追い風に自動車、商社、空輸、資源株。値上げが浸透

した食品、陸運、サービス、卸、インバウンド関連、AI関連が好調。一方、中国経済減速の影響を受けた化学、機械、電機が不振。国内では建設、

鉄鋼、運輸、化学、石油が一段落。

今後、円高方向に振れ始めると、自動車、電機、機械、資源、船舶輸送、輸出関連銘柄、ハイテク関連の業績は微減。サービス、インバウンド関連

も夏場に向け観光客は減少する傾向にあるので全体に慎重な見方に変化しています。

*上期は、株価上昇に向けて踊り場とみておいた方がいいでしょうね。

当たらずとも遠からず。個人的な見方です。ご参考まで。      ハウスビルダー販売支援研究所   代表 大出 正廣