288号・浸水地域は災害対策として基礎高さを検討すべき

 近年、集中豪雨等による水害が頻発しており短時間で河川の増水で堤防が決壊して甚大な被害が発生する事例が増えてきています。

各自治体は河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域及び浸水した場合に想定される水深については洪水ハザードマップで公表しています。

 また、旧地名でも昔の土地の情報を知ることもできます。「水、川、河、橋、池、湖、灘、浮、沢、谷、坂、浜、杭瀬、須、荒、流、洗、浅、田、窪」

といった字のつく地域は軟弱地盤であったり、水を呼び込む場所、池や、湖、海岸、田んぼであったりするので注意が必要です。

数年前には大都会東京でも渋谷、赤坂で浸水被害がありましたよね。皆さんの地域でも思い当たる地域があるはずです。

 反対に、地盤のしっかりしている地域では「台、高、里、山、丘、森、峠など」といった地名の場所は、比較的地盤がしっかりしているといえます。

ただ、そうした地域でも、盛土、切土、地下表面近くに空洞があったりするので、地盤調査は必要です。

施主宅の洪水時の被害を最小限にするためには、平時より水害リスクを認識したうえで氾濫時の危険箇所や対策方法を講じてあげることが大切です。

台風シーズンになると、日本全国あちこちで床下、床上浸水が発生しています。ニュース、映像で見ていると大半があと10~20センチ基礎が高ければ

床上浸水にはならなかったのにと思う建物がたくさんあります。

木造住宅でグラスウール断熱材仕様のダメージは大きい。日本全国、どこもかしこも基準法の最低基準、床の高さ(GL+床の上面=45センチ)で

設計施工しているところに問題があります。

その原因は

  • ・建築基準法では基礎高さが30センチ以上。
  • ・長期優良住宅では基礎高さ40センチ、床下空間33センチ以上と規定。
  • ・その寸法に合わせて基礎型枠が施工上、コスト面から寸分違わずどこもかしこも型枠高さ60センチという事になっています。
  • ・基礎を高くすると、標準の基礎型枠が使用できなくて割高になる。
  • ・特に市街地では、道路車線に北側車線などの高さ制限も影響しています。
  • ・また、バリアフリーを強調するあまり、道路と玄関ポーチの段差を小さくすることがバリアフリー対策のようになっている。

 地盤補強工事は、金額も大きく売り上げ、利益計上できるので、住宅会社は熱心に取り組むが、浸水対策、基礎高にはほとんど関心がありません。

行政もハザードマップを作成しておきながら住宅会社任せ。どこか、浸水対策に熱心な住宅会社があってもいいのでは。

そこで、差別化対策として、水が集まりそうな地域、浸水しそうな地域では、あらかじめ基礎の高さを高くするなど、お客様に提案してみては如何でしょうか。

そのことによって床上浸水の被害が出なければ感謝されると思います。

2024・8・8

ハウスビルダー販売支援研究所 代表 大出 正廣