342号・魅力が無くなった日本の住宅

■住宅購入動機が見つからなくなった日本のお客様

今年になって、トランプ政権はローン金利の上昇抑制や超長期ローンなどで住宅促進対策を打ち出してきたが、日本では住宅ローン金利上昇傾向に加え、建設物価、資材価格、人件費の上昇が住宅価格・建築費を押し上げており買い控えが続いています。

販売促進策として 「フラット35」 の融資限度額引き上げや住宅ローン減税、住宅の耐震化・省エネ化・低炭素住宅等の性能向上に対する税制優遇等対策がされているが、それらは、住宅購入時のメリットだけで、だから早く購入したいという動機にはなっていません。

米国と日本の違い

米国では、住宅を無理してでも購入しておくと資産価値の上昇に期待できるので、購買意欲は低下していません。なので、上記のような超長期ローン対策が打たれると住宅販売増につながっています。

日本では、購入できる人への減税や補助金制度はあるが、無理してでも買いたくなる魅力ある住宅や将来資産価値が上がるという魅力に欠けているように思います。

また、メンテナンスは住宅会社の定期的な点検、修理に囲い込まれていて費用が高くつく、リフォーム、リノベとなると工事費用負担が大きいなど 購入しても大変という状況にあり、賃貸やマンション住まいという事になっています。

つまり、補助金や減税対策だけでは、持ち家を購入したいという動機にならない構造は変わりません。

なぜ、日本では戸建て住宅を「欲しがらなくなった」のか

米国との決定的な違い=「資産になるかどうか」

米国では住宅=金融商品・投資資産
 ・9割以上が30年固定ローン(返済額が変わらないので、緩やかなインフレ下では実質負担は減じる)
 ・外国人人口増+土地値上がり
 ・中古でも値上がりする
 ・「購入すれば値上がり期待ができるので、家賃より買った方が得」が常識

・コロナ前、中所得層の住宅購入価格が30万ドルだった住宅が、今では100万ドルといわれています。

日本では住宅=消費財

日本では固定型と変動型は真逆。変動型が8割。金利上昇傾向下では銀行がリスクを小さく、利用者の金利負担増のリスク大(購 入が委縮しますよね)
・建物は返済が終わる30~40年で資産価値ゼロ(法定耐用年数で評価)査定
・土地も人口減で上がらない。
・タワマン以外のマンションでは「買った瞬間に2割以上下落」が常識。

つまり経済合理性がない=夢がない
 これが最大の問題です。

 では、日本の住宅に希望はないのか?

 私は「方向転換すればチャンスはある」と思っています。

・低価格、性能住宅ではなく「価値創造型」への転換だと思います。

 これから可能性がある住宅の方向性

日本ではもう「値上がり益」は望めません。だから発想を変える必要があります。

  性能価値は年月とともに低下

 ・性能住宅/時代とともに劣化

 ・ソーラ住宅/メンテナンス、撤去費の発生

 ・パッシブ/初期投資大

 ・耐震性/小断面構造体では劣化

  欠けているのは、真の意味での耐久性、改変できる間取りとあきのこないデザインです。

ここからが、工務店さんのチャレンジです

 消費財 → 長寿命資産へ

 ・50~100年住める高耐久な構造体

 ・数世代にわたって住み続けられる住宅

 ・間取りの改変、設備の入れ替えに対応

 ・大空間、大開口、高い天井

 ・リノベ前提設計

 ・構造体の大断面化で資産価値の向上

 ・飽きの来ないデザイン

 ・自然素材の多用

 大手には対応がむつかしい、これらの住宅対応できれば十分チャンスはあります。

 なので、

  「数は減るが質は上がる時代」 になると思っています。

  「今こそしっかりした経営者の住宅ポリシー・設計力」で勝つしかない高額住宅にシフトする。

 これは成熟社会の工務店の自然な姿です。

 2026・3・14

  ハウスビルダー販売支援研究所 代表 大出正廣